初めに
2023年夏、ONE-VALUE株式会社ハノイ事務所は、長崎県立大学国際経営学科から、西晏伸さんと岡野真夜さん二名の学生をインターンとして3週間迎え入れました。海外でのインターンは、異文化との接触や国際的な視野を広げる経験として、非常に有意義なものとなります。ONE-VALUEのインターンに興味のある方、あるいは海外インターンを考えている方の参考になれば幸いです。
インターンでの業務について
まず、西さんと岡野さんに、インターンを通じてどのような気づき・学び、仕事の感想について伺います。
Q.ベトナムでのインターンを始めるきっかけは何でしたか?
西さん
私たちの大学には「海外ビジネス研修」という必修講義があり、ベトナムやタイ、シンガポールといった国の企業から選んでインターンを体験することができます。インターンの選択肢の中で、ONE‐VALUEでの業務内容に魅かれました。国そのものを選ぶより、ONE‐VALUEの実際の業務に参加できるインターン内容に関心を持ち、それがベトナムでのインターンを始めるきっかけとなりました。
岡野さん
必修講義の部分は私も同様です。私は以前からマーケティングや市場調査に興味を持っており、ONE-VALUEの業務内容が非常に魅力的に感じられました。また、ベトナムでの勤務経験がある、教授の話を通じて、日越間のビジネスに興味を持ち、ONE‐VALUEでのインターンを選びました。
ONE-VALUEのインターンは、ゲームやロープレではなく実際のプロジェクトに参加できる点が大きな特徴です。実際に企業で働くイメージを掴みながら、異文化との接点や国際的な視野を持つことができます。また、ベトナム現地だけでなく東京本社でのインターンも受け付けています。
Q.インターンとしての一日の流れや業務内容を教えてください。
西さん
私の業務内容 は大きく2つです。1つ目は、社員が作成した成果物の日本語校正。2つ目は、会議同席と議事録の作成です。基本的には成果物の修正を行い、予定されている会議がある日は、その後に議事録をまとめます。他にも、ちょっとした雑用や手伝いも行いました。退勤する前にメンターとミーティングを行い、業務の相談などを行いました。
岡野さん
私も西さんと同様です。ONE-VALUEにはベトナム人の社員が作成した成果物が多くあるため、日本企業のクライアントや、営業を行う日本人社員に向けた日本語校正を行いました。
Q.インターンを通して印象的なエピソードや学びはありますか?
西さん
インターンを通して学んだことは、ベトナムの産業について深く知ることができたことです。ベトナムに対して「途上国の一つ」という漠然としたイメージしかありませんでした。成果物修正の業務を行う過程で、二つの発見がありました。一つ目は、ベトナムには世界トップシェアを誇る特産品があること。二つ目に、ベトナムがIT技術の導入を積極的に進めていることを知ることができました。ベトナムはこれからの成長が見込め、ポテンシャルの高い国ではないかと感じました。インターンを通じて、実際のベトナムの産業の実情を学ぶことができたことは、私の視野を大きく広げてくれた貴重な経験となりました。
岡野さん
インターンの中で学んだことは、「相手のことを考えてデザインする」ということです。私が初めての議事録作成ですべてを詳細に書き過ぎてしまい、その結果、重要なポイントが埋もれてしまうことがありました。議事録は、会議の内容や次のステップを効率的に伝えるためものであり、「読み手が何を知りたいのか、どう感じるかを先読みして作成し、理解しやすいようにデザインすること」が必要であることを学びました。この考えは、日常のコミュニケーションや文書作成にも応用できるスキルだと思いました。また、企業間のコミュニケーションの取り方や会議の流れを知ることができ、良い経験になりました。相手のことを考えて行動することが信頼を得ることに繋がり、社内外どちらでも大切であると学びました。
ONE-VALUEのインターンは、インターン生たちに実際のビジネスシーンでの経験を通じて、自身の成長を実感してもらうことを目指しています。メンターと行う毎日のミーティングでは、基本的なことだけでなく、細かい実務のテクニックなども伝えます。より実践的であることがONE-VALUEのインターンの特徴です。
Q.インターンでの挑戦や困難な点、またベトナム特有の難しさは何でしたか?
西さん
言語の壁が困難だと感じました。私が所属したチームでは主に日本語でのコミュニケーションが中心でしたが、他チームの方との会話では、私の英語力のせいで会話が滞ってしまうことがありました。また、ミーティングでの体験が印象的でした。会議をすべて英語で進行し、そこでは実践的な英語や専門用語、ビジネス用語が飛び交い、その速さと深さについていくのは非常に難しかったです。大学での勉強とは一味違う、実際のビジネスシーンでの英語の重要性を実感しました。
岡野さん
成果物の日本語チェックが難しかったです。日本人の方が読む際に正確かつ自然に感じる文章を作成する必要がありました。特に、専門用語の理解や元の文の意味を保持しつつ、より明確で読みやすい言い回しを考えることが求められました。VietBizの記事を参考にするなど、類義語の使い分けにも注意をしながら作業を進めました。ベトナム特有の難しさとしては、間違いなく言語の違いでした。ベトナム語、英語、そして日本語の3つの言語を使用する中で、言語の切り替えや表現の選択に悩むことがしばしばありました。
ONE-VALUE社内ではベトナム語・英語・日本語が使用されていますが、インターンには外国語能力は特に必要ありません。ベトナム語はもちろん、英語に自信がなくてもお気軽にご連絡ください。
Q.ベトナムの職場文化の雰囲気について、どのように感じましたか?
西さん
職場においても、仲間とシェアする文化が大いに感じられました。8月末の誕生日会では、社員の方々の誕生日を私も一緒にみんなでお祝いしました。また、会社で面白いことがあった時に、全体のチャットで楽しそうに会話しているのを見て、こうした習慣から会社の団結力が生まれ、事業の効率化にもつながっているのではないかと思いました。
岡野さん
ベトナムの職場はとても暖かい雰囲気でした。日本語の挨拶をしてくださる方が多く、また部署内だけでなく、部署を超えて楽しそうにお話されているのが印象的でした。昼休憩には、ご飯を食べた後、多くの人がお昼寝をすることに驚きました。一度寝ることで、午後の業務の集中力が上がったと思います。
ベトナムの職場文化は、日本とは変わった職場文化になるかと思います。お昼寝や、シェアする文化、ベトナムでは人と人との関わりを大切にしている方が多いです。我々ONE-VALUEも、こうした文化を大切にし、職場でのコミュニケーションやチームワークを重視しています。
Q.学外活動やサークル、部活動での経験が、ベトナムでのインターン生活にどのように役立っていますか?
西さん
私はアパレル店にてアルバイトをしており、その際の社員教育として「挨拶・笑顔・アイコンタクト」の3つを徹底して行うように言われました。インターン中もこの3つを意識して活動を行ったおかげで、社員の方とすぐに打ち解けることができました。
岡野さん
大学では海外マーケットリサーチサークルに所属しており、サークル活動の際にオフィスアプリを使ったり、政府や統計機関の資料読んだりすることがあるので、今回の成果物の日本語チェックの際にはグラフの見方などが役に立ちました。講義だけでなくサークルでも文章に触れる機会があるので、その経験に助けられたと思います。
Q.ベトナムでのインターン経験が、これまでの学生生活や学業とどう関連していると感じますか?
西さん
ベトナム進出を一から考えている企業との商談に同席した際に、テスト販売やEC参入といった、大学の講義で学んだ内容が、実際の現場で使われているところを体感できて感動しました。
岡野さん
私も同様に、大学の講義で学んだことが、実務で使用されていることを知れました。例えば報連相が大事だとゼミで教わったのですが、実務を通して本当に重要であると実感しました。
ベトナムでの生活について
続いて、ベトナムでの生活や文化について伺います。
Q.初めてのベトナムで、特にベトナムの生活や文化で驚いたことや印象的だったことは?
西さん
ベトナムに降り立った瞬間、独特な香りに驚きました。ハノイの街に足を踏み入れると、人と交通の活発さに驚かされました。横断歩道を渡る際、次から次へと走り抜ける車やバイクの流れに、最初の一週間は横断だけでスリル満点でした。また、道路沿いには、簡易的なテーブルや椅子が並べられ、人々が賑やかに会話を交わしながら食事を楽しんでいる様子も目を引きました。日本とは異なり、調理の様子が直接見える開放的なお店も多く、日本との違いや新たな発見がいっぱいでした。
岡野さん
印象的だったのは、交通と写真を撮る文化です。ベトナムの街中は、バイクが数え切れないほど多く、常にクラクションの音が響いていました。特に、渋滞時にバイクが歩道を走行する様子には驚きました。また、休日に街を歩いていると、多くの女性が花束を手にして写真を撮る姿を見かけます。初めて見た時は何か特別なイベントがあるのかと思いましたが、特にそうではなく日常の風景だと後日知りました。日本ではあまり見かけない様子はとても新鮮でした。
Q.ベトナムの食事はどうでしたか?
西さん
様々なベトナム料理を食べましたが、特に印象的な料理はハノイの名物料理ブンチャーです。初めて口にしたベトナム料理です。ベトナムのつけ麺で、あの味はまだ忘れられません。ベトナム料理はとても美味しかったのですが、最初の一週間はベトナムの食材が私の胃に合わなかったためお腹を壊していました。
岡野さん
ベトナムの料理はどれも美味しかったです。フォーやバインミー、チェーといった代表的なベトナム料理を何軒かのお店で食べましたが、各店ごとの微妙な味の違いを楽しむことができました。特に驚いたのはカエルの料理です。カエルの一部は見た目が少し食べるのに抵抗があるように感じましたが、食べてみると想像以上の美味しさでした。また、ナンプラーの独特の匂いには驚きました。
ベトナムの食文化は多様で、様々な国々、特にフランス料理と中国料理の影響を受けながら独自の発展を遂げています。また、地域ごとに特色ある食文化が存在し、それぞれ異なる味わいや料理法を楽しむことができます。
Q.休日の過ごし方や現地でのコミュニケーションは?
西さん
日常生活でのコミュニケーションは、まずは英語を試み、難しい場合にはスマホのベトナム語翻訳アプリを使用しました。ハノイ市内の観光地を中心に、様々な場所を観光しました。
岡野さん
私も社外でのコミュニケーションは主に英語や翻訳アプリを頼りにしました。特に旧市街や市場は魅力的で、ハノイ特有の素敵なカフェで休憩をすることが多かったです。一度、社員の方とホアンキエム湖周辺での観光案内をしてもらい、オススメのお店での一緒にショッピングができてとても楽しかったです。
Q.ベトナムで発見したお気に入りの場所やアクティビティはありますか?
西さん
私が宿泊していたホテル周辺の、多くのカフェが出店している通りがお気に入りの場所になっていました。湖沿いに座って、景色を楽しみながらコーヒーを飲んだことが、慣れない環境の中でのリラックスできる場所になっていました。
岡野さん
ピーチティーを飲むことです。ベトナムに来てすぐにピーチティーを飲んだのですが、桃の果肉が入っていてとても美味しかったです。それから、カフェ巡りをしてピーチティーを飲むようになりました。
Q.ベトナム観光で特に感動した場所や体験は?ハノイのお勧めスポットは?
西さん
ホータイに初めて行ったとき、ハノイの街を一望できる光景に感動しました。おすすめの場所はハイランズコーヒーです。今回のインターンは大学のカリキュラムの一環なので、最終報告のレポートを作成する必要があり、作業スペースとしてよく利用していました。また、観光地を巡る際に、安心して落ち着ける場所でもあると思うので、休憩には最適だと思います。
岡野さん
ニンビン省のヴァンロン自然保護区をボートで巡ったことです。景色がとても綺麗で、特に洞窟から出たときの景色や空気が印象に残っています。また、Giang Caféというカフェがとても良かったです。このカフェでエッグコーヒーを初めて飲みましたが、とても美味しくて感動しました。ふわふわで苦くなく、普段はコーヒーを飲まないのですが美味しく飲めました。入り口が狭く秘密のお店に入った気分でした。一方で店内は広く空も見ることが出来るので、開放的な気分になりました。
今後について
最後に、ONE-VALUEのインターンを体験した上で、今後のキャリアプランや仕事に関する価値観についての変化を伺いました。
Q.ベトナムでのインターンを経験して、今後のキャリアや夢にどのような影響がありましたか?
西さん
漠然と海外で働きたいと思っていましたが、インターンを通じて日本とは異なるオフィス文化のなかで業務を行うことに大きなやりがいを感じました。今回の経験から責任をもって達成感を感じられるような仕事したいと思うようになりました。また、インターン前からあった「国際的に活動したい」という思いがより強くなりました。
岡野さん
3週間、実際に会社で働いたことで、仕事をどのように行うかを知ることが出来ました。
ネットの情報だけでは知り得ない、実際の業務や会社の雰囲気を直接体験し、多くを知ることができました。また、社員の方が仕事をしている所を間近で見ることができ、自分の働く姿を想像することが出来ました。一般的な1Dayインターンとは異なり、3週間の長期インターンを経験できたことはとても良い体験でした。今後の就活の際には、今回の経験を存分に活かしたいと思います。
ONE-VALUEのインターンは、異文化のビジネスの現場を直接体験する貴重な機会です。短期間でも実業務の理解や文化の違いを乗り越える成果を実感できるのが、弊社インターンの特徴です。
Q.卒業後、ベトナムや国外で働くことを考えていますか?
西さん
はい、考えています。今回のインターン生活で、海外で働くことに対してあった不安などが完全に払拭できたとは言えませんが、海外で働きたいという思いは一層強くなったと感じています。また、いろんな文化を経験したいとも感じました。大学で金融を専攻しているので金融の最先端であるニューヨークで働いてみたいです。
岡野さん
インターンを始める前は言語の不安が大きく、正直、国外での仕事は考えていませんでした。しかし、今回のインターンを通して海外で働いてみたいと思いました。日本とは異なる文化を知ることはとても興味深く、ベトナムの文化について更に詳しく、また他の国の文化も知りたいと感じました。今後、どのように海外との関わりを持ちたいかを考えていきたいです。
Q.これから海外、特にベトナムでインターンを考えている学生に向けてのアドバイスやメッセージは?
西さん
海外インターンを考えている学生にとって、初めは多くの不安や疑問があるかもしれません。私も最初は、日本とは異なる文化や生活環境に慣れることができるか心配でした。しかし、実際にベトナムでの日常生活や仕事を経験する中で、日本との違いや新しい文化に触れることの楽しさを実感しました。
オフィスにおいては、コミュニケーションのフランクさや昼寝など、日本ではあまり見られないような光景が印象的でした。日常生活でも、食事や建物、交通など様々な場面でベトナム独特の魅力を感じることができます。特に、人々の温かさや活気は、他の国とは一味違った魅力があると思います。
ベトナムでのインターンを経験することで、新しい視野や考え方を得ることができました。ただし道路の横断には気をつけてください!
岡野さん
行く前は不安に感じるかも知れませんが、行ってみないと分からないことがたくさんあります。恐れずに挑戦したら、すごく良い経験ができると思います。今回、私は大学のカリキュラムという形で海外インターンに挑戦できましたが、1人では言語や文化の違い、金銭面等で不安を感じて挑戦しづらかったと思います。しかし、実際にインターンを行うと、日本との違いを感じながら自分の将来について考える良い機会となりました。具体的には、将来の働き方や海外との関わり方などを考えることができ、ベトナムでのインターンを通して、将来の視野を広げることが出来ました。また、行く前は不安であった、言語や文化の違いも楽しむことが出来ました。
挑戦する前は、不安が多く踏み出しづらいと思いますが、実際にインターンをしてみると、とても充実した時間を送ることが出来ます。ベトナムは人が温かく、食事も美味しく、観光もでき、比較的治安の良い国なので、たくさんの学生の方に訪れてみてほしいです。
海外インターンは国際的なコミュニケーション能力や問題解決能力を向上させることができます。また、異文化理解や国際協力の精神も育まれ、グローバルな視点から物事を考える力も培われます。ベトナム人の温かさや開かれた心に触れ、その活気に溢れる生活、異なる業界文化の中で学ぶことができます。
岡野さん、西さんともに、不安と期待の中、ベトナムでのインターンに挑戦し、多くの学びや発見がありました。新しい環境や文化に触れることで、自分の価値観や視野が広がり、更には現地の友達やコネクションも得られます。これらの経験は、今後のキャリア構築や人生において大きな財産となります。
まとめ
これから海外インターンを考えている学生の皆さんやほかの方も、不安や心配事はあるかもしれませんが、その一歩を踏み出されてみてください。未知の世界から得られる経験や知識は計り知れない価値があります。ベトナムは急速に発展しており、国際社会での影響も増しています。今後の国際社会において、国際経験を積むことが非常に重要になります。ONE-VALUEでは、インターン生がベトナムでの生活や仕事を通して、多くを学び、成長できる環境を提供しています。
最後に、ONE-VALUEは、岡野さん、西さんのような意欲的で前向きな学生たちが、更に多くベトナムでのインターンを経験し、互いの文化や価値を理解し合い、国際的な舞台で活躍してくれることを心から期待しております。